家庭内における事故の特徴 東京消防庁「家庭内における不慮の救急事故:平成13年中」より
     
 東京消防庁の「家庭内における不慮の救急事故(平成13年中)」の中から家庭内における事故の中で特徴的なものをピックアップして紹介する。
平成13年中の全ての救急事故の搬送人員は567,451人で、そのうち、一般負傷と水難に限定した家庭内の不慮の事故による搬送人員は41,828人となっている。
     
受傷形態別搬送人員
   受傷形態別にみると、転倒が最も多く19,481人(46.6%)、次いで転落が3,736人(8.9%)と続いている。
 年齢別にみると、65歳以上の高齢者の転倒は12,970人と69.0%を占め、他の年代に比べて事故発生割合が高くなっている。
 2歳以下の乳幼児では、転倒が1,308人(26.9%)と多く、次いで異物・誤飲等が1,174人(24.1%)、転落が589人(12.1%)、熱傷が432人(8.9%)という順になっている。他の年代に比べると異物・誤飲等による事故の割合が高い。
   
(人数:%)
   
受傷形態
0〜2歳
65歳〜
転倒
19,481
46.6
1,308
26.9
12,970
69.0
衝突
890
2.1
172
3.5
139
0.7
挟まれ
521
1.2
178
3.7
76
0.4
刃物鋭利
2,415
5.8
176
3.6
263
1.4
鈍器物
359
0.9
82
1.7
51
0.3
咬傷
470
1.1
21
0.4
92
0.5
転落
3,736
8.9
589
12.1
1,634
8.7
墜落
1,326
3.2
253
5.2
381
2.0
熱傷
1,076
2.6
432
8.9
156
0.8
溺水
229
0.5
32
0.7
167
0.9
異物誤飲
2,847
6.8
1,174
24.1
750
4.0
ガス中毒
43
0.1
1
0.0
9
0.0
薬物中毒
3,185
7.6
24
0.5
225
1.2
その他
5,250
12.6
424
8.7
1,879
10.0
 
41,828
100%
4,866
100%
18,792
100%
    ※転落とは、高低差のある場所から地表面又は静止位置まで、スロープ等に接触しながら転がり落ち受傷したもの
墜落とは、高所から地表面又は静止位置まで落下し受傷したもの
     
発生場所別搬送人員
   家庭内で事故が一番発生割合が高いのが、居室で30,522人(73.0%)となっており、次いで、階段が3,237人(7.7%)、庭が2,103人(5.0%)となっている。
 重症以上(重篤、死亡を含む)の発生割合が高いのは、居室が983人(60.6%)であるが、次いで、浴室が218人(13.4%)、庭が167人(10.3%)となっている。
   
(人数:%)
   
場所
重症以上
居 室
30,522
73.0
983
60.6
廊 下
1,979
4.7
45
2.8
階 段
3,237
7.7
77
4.8
トイレ
378
0.9
15
0.9
浴 室
1,124
2.7
218
13.4
台 所
1,312
3.1
37
2.3
2,103
5.0
167
10.3
1,173
2.8
79
4.9
41,828
100%
1,621
100%
     
  居室における事故の特徴
     家庭内で最も多い居室の事故の搬送者30,522人中、転倒と転落を合わせると15,544人(50.9%)で半数を超えている。次いで、薬物中毒が3,055人(10.0%)、異物・誤飲等が2,684人(8.8%)と続いている。特徴としては、65歳以上の高齢者の転倒・転落が10,377人と居室での事故の約三分の一(34.0%)となっており、家庭内のちょっとした段差での転倒・転落事故が非常に多くなっている。
 また、薬物中毒については3,055人のうち、20歳代が1,129人(37.0%)と多くを占めている。
     
  階段における事故の特徴
     階段における事故は、3,237人の搬送者のうち、転倒・転落・墜落を合わせると3,139人(97.0%)とほとんどとなっている。乳幼児や高齢者にも事故は多いが、50歳代も比較的多く発生しているのが特徴である。
     
  浴室における事故の特徴
     浴室における事故は1,124人の搬送者のうち、転倒が一番多く、542人(48.2%)と半数近くを占める。次いで、溺水が196人(17.4%)、刃物・鋭利物が111人(9.9%)と続いている。特徴としては、転倒(542人)に占める65歳以上の高齢者が267人(49.3%)と約半数を占め、高齢者の浴室での転倒防止策が重要となっている。
 溺水は196人のうち2歳以下の幼児が21人(10.7%)と65歳以上の高齢者が148 人(75.5%)と幼児と高齢者に特に多くなっている。また、168人(85.7%)が重症以上の事故となっている。
   
  異物・誤飲等による事故
     異物・誤飲等による搬送者2,847人のうち、2歳以下の乳幼児が1,174人(41.2%)となっており、65歳以上の高齢者は750人(26.3%)と乳幼児と高齢者に多くなっている。
 乳幼児の異物・誤飲等で、最も多いのがたばこで280人(23.9%)で、たばこの誤飲の全体29人のほとんどを占める。次いで、玩具類が96人(8.2%)、薬剤等によるものが82人(7.0%)の順となっている。
 65歳以上の高齢者では、搬送人員750人中、ご飯によるものが123人(16.4%)、薬剤等によるものが89人(11.9 %)、餅が70人(9.3%)となっているが、食品類をまとめると507人(67.6%)と7割近くを占めている。
   
   
  熱傷による事故
     熱傷による搬送人員1,076人のうち、原因として最も多いのは「お茶・コーヒー類」の熱湯によるもので168人(15.6 %)、次いで「みそ汁・スープ」の熱湯によるものが141人(13.1%)と食品に関係するものが多くなっている。
 2歳以下の乳幼児は432人と熱傷による事故全体の40.1%を占めている。乳幼児の原因は「お茶・コーヒー類」が105人(24.3%)、「みそ汁・スープ」が75人(17.4%)、「ポット」等の転倒によるものが60人(13.9%)と、いずれもテーブル等に置かれた身の回りの高温液体による熱傷が多くなっている。
     
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